復習はいつ? 学習の間隔を研究から考える

エリム教育研究所 / 教育論文を読む

研究で確かめられたことと、そこから考えられる実践のヒントを分けて紹介します。

復習はいつ入れる?

試験の前日にまとめて読み直す。毎晩同じ内容を繰り返す。復習の方法はいろいろありますが、いつ戻るのがよいのでしょうか。今回は、学習する間隔と、覚えておきたい期間の関係を調べた研究です。何日おきなら必ず正解、という予定表ではなく、間隔を考える見方を学びます。

二つの間隔を区別する

最初に、二つの時計を分けましょう。一つは、最初の学習から復習までの学習間隔。もう一つは、復習から最後のテストまでの保持間隔です。この二つを混ぜると、結果の読み方が変わってしまいます。研究では、復習後どれほど長く覚えていられたかを比べています。

成人を対象にした研究

紹介するのは、セペダらが二〇〇八年に発表した研究です。オンラインの研究パネルを使い、全過程を完了した千三百五十四人を分析しました。年齢は十八歳から七十二歳、平均三十四歳です。学校の一つの学級を観察した研究ではなく、成人が参加した記憶の実験です。

覚えたのは三十二の事実

参加者が学んだのは、三十二の事実に関する答えです。最初の学習では、それぞれ一回正しく答えられるまで学びました。その後、指定された間隔を空け、正しい答えの提示を伴う復習を行います。すでに知っている文章を自由な方法で読み直すだけの課題とは異なります。

最初の学習:32の事実を各1回正答まで/後日の復習:正答の提示を伴う練習
図1:覚えたのは三十二の事実。本文を説明するための独自図。論文図の転載ではありません。

復習の日を変えて比較

学習間隔と保持間隔を組み合わせた、二十六の条件に参加者を無作為に割り付けました。後日の復習では、答えを確認しながら二回練習しました。二回というのは、その復習機会の中での練習です。別の日に何度も復習する年間計画を比較した研究ではありません。

テストまでの長さも変える

最後のテストは、復習から七日後、三十五日後、七十日後、または三百五十日後に行われました。答えを自分で思い出す再生と、選択肢から見分ける再認を測定しています。ここでは、答えを取り出す再生の結果に注目し、学習間隔との関係を見ていきます。

短い保持期間での結果

復習から七日後にテストをする条件では、実際に試した学習間隔のうち、一日を空けた場合の再生率が最も高くなりました。ここでの一日は、最初の学習から復習までです。最初に学んだ七日後に試験をした、という意味ではないことを確認しておきましょう。

保持期間が延びた場合

保持間隔が三十五日の条件では、試した中で最も高かった学習間隔は十一日でした。保持間隔が七十日の条件では二十一日です。長く覚えておきたい場合には、すぐに続けて復習するより、ある程度離した学習がよい結果になることを示す組み合わせでした。

保持35日:実測で最高の学習間隔:11日/保持70日:実測で最高の学習間隔:21日
図2:保持期間が延びた場合。本文を説明するための独自図。論文図の転載ではありません。

一年近い保持では?

保持間隔が三百五十日の条件でも、実測で最も高い再生率だった学習間隔は二十一日でした。この結果から、保持期間が十倍になれば、復習間隔も十倍にする、といった計算はできません。今回試された間隔の範囲で、どこが高かったかを表した数字として読みます。

実測と推定は別の数字

論文には、試した条件の間を補って推定した数字もあります。保持間隔が七、三十五、七十、三百五十日の場合、それぞれ約三、八、十二、二十七日です。これは実際に試した中の最高値とは別です。図や紹介で数字が違うときは、実測か推定かを先に確認します。

離すほどよいわけではない

研究の大切な点は、学習間隔を長くすれば、成績がずっと上がり続けたわけではないことです。保持期間との組み合わせによって、よい結果になる間隔が変わりました。復習を後回しにするほど得をする、という話でも、今日の学習を省いてよいという話でもありません。

万能の予定表にはしない

この数字を、そのまま家庭の復習カレンダーに貼り付けるのは慎重にしたいところです。研究で学んだのは成人の事実記憶で、学習機会は大きく二つでした。毎日の授業で知識を使い、宿題で戻り、何度も復習する子どもの生活とは条件が違います。予定は理解の状態に合わせて考えます。

長期研究ならではの限界

長い時間をかける実験では、最後まで参加しない人が増える問題もあります。この研究でも、長い期間ほど脱落が増え、分析したのは完了者でした。人数の大きさだけで結論の強さを判断せず、どの人たちの結果が残っているかも見る必要があります。

分析した人:全過程を完了した参加者/読むときの注意:長い条件ほど脱落が増加
図3:長期研究ならではの限界。本文を説明するための独自図。論文図の転載ではありません。

ここから実践を考える

ここからは、原著の結果を踏まえた実践の提案です。中心は、復習を一度で終わらせず、後日に戻る予定を作ること。そして、いつまで使えるようにしたいかを考えることです。特定の日数の効果を約束せず、実際に思い出せるかを見ながら調整する方法を提案します。

オリジナルの学習例

たとえば、今月学んだ地理用語を、来月の説明活動でも使いたい場面を考えます。その日のまとめだけで終えず、別の日に短い確認を入れます。用語を見て意味を言い、具体例とつなげる活動です。この教科と活動の組み合わせは、今回の研究で試されたものではありません。

日程は試して直す

日程の一例として、学んだ翌週に短く戻り、その後にも確認の枠を置くことはできます。ただし、翌週が最適だと研究が決めたわけではありません。教材の難しさ、すでに知っている量、次に使う時期を見て、間隔を短くしたり、少し長くしたりするための仮の予定です。

忘れたときの対応

後日に戻って、ほとんど思い出せない場合もあります。そのときは失敗と決めず、説明を確認し、少量からやり直します。次の確認を近めにすることも考えられます。一方、十分に説明できるなら、少し間を空ける選択もあります。この調整方法自体は、原著の直接の検証結果ではありません。

同じ時間を分ける発想

復習の時間を増やせないときにも、まとまった一回だけで終えるのか、後日に戻る余地を残すのかは考えられます。ただし、この研究から家庭の時間配分の最適値までは出せません。分けることが目的になり、学習を始める準備だけで疲れないよう、無理のない単位を選びます。

時間配分の発想:一度で終えず、後日の枠を残す/生活との調整:細かく分けすぎて負担を増やさない
図4:同じ時間を分ける発想。本文を説明するための独自図。論文図の転載ではありません。

何を記録すればよい?

簡単な記録なら、内容、学んだ日、次に戻る日、戻ったときの様子の四つで十分です。全部正解かどうかだけでなく、ヒントが必要だったか、説明が曖昧だったかも見ます。記録を増やすことが目的ではありません。次の学習を決めるための、短い手がかりを残します。

毎日を否定する研究ではない

毎日少しずつ勉強する習慣そのものを、この研究が否定したわけではありません。毎日学ぶことと、同じ内容に毎日戻ることは別です。今日は新しい内容を学び、以前の内容は間隔を空けて確かめる、といった組み合わせもあります。頻度の標語より、内容ごとの戻り方を考えます。

試験日だけを目標にしない

明日の小テストと、数か月後にも使いたい基礎知識では、求める保持期間が違います。もちろん、目の前の締め切りに備えることも必要です。そのうえで、長く使いたい内容は、試験が終わってからも戻る機会を考えます。復習を試験の前だけの仕事にしないという実践上の発想です。

いつまで覚えたいかから

今回の研究は、よい復習間隔を考えるとき、覚えておきたい期間も大切だと示しました。長く空ければ必ずよいわけでも、全員に同じ日程が合うわけでもありません。次に復習の予定を立てるときは、いつまで使いたいか、そして今どれだけ思い出せるか。この二つを確認してみましょう。

この研究を読むときの注意

  • 成人の雑学記憶・2学習機会で、児童の日常教材や多回復習を直接検証していない
  • 長い期間ほど脱落が増加。完了者分析
  • 試験日から機械的に日数を逆算する規則にはできない

ここで示した家庭・授業の例は、研究者がそのまま検証した手順ではなく、エリム教育研究所の提案例です。

参考資料

Cepeda, N. J., Vul, E., Rohrer, D., Wixted, J. T., & Pashler, H. (2008). Spacing effects in learning: A temporal ridgeline of optimal retention. Psychological Science, 19(11), 1095–1102.

一次資料の本文を読む(確認日:2026年10月18日)

出典の数値・図の位置:Results p.1099。人数と年齢p.1096–1097 / Table 1

編集方針:教育論文の読み方と編集方針

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